Loading...

「食の未来」を考える Vol.2

〜AFP代表・加藤×Share trade 竹井伸氏・越出水月氏〜

オルタナフード, コラム, 駝鳥2014/12/26

AFP代表・加藤×Share trade 竹井伸氏・越出水月氏
AFP代表・加藤×Share trade 竹井伸氏・越出水月氏

AFPでは「食の未来」を考えるため、生産者・飲食店・消費者のみなさんと意見を交換しています。今回、お話を伺ったのは株式会社シェアトレードの竹井伸代表と、越出水月さん。「パラダイスシード」と呼ばれるスパイスの普及に取り組む2人に「食の未来」について、お話を聞きました。


「支援、というのを、モチベーションにしたくない」

加藤:こんにちは。今回はお2人にいろいろとお聞きしていきますね。まずはシェアトレードの活動内容について、教えていただけますか。

竹井さん:「パラダイスシード」というスパイスを通じて、パラダイスなトレードをすることに取り組んでいます!

もともと小さな食の商社にいたのですが、日々の経済活動優先ですから、現地の人の状況はどうでもいいわけです。そんなときに水月さんが紹介してくれたのが、「パラダイスシード」でした。

最初は起業じゃなくて、会社の一事業部としてスタートしましたが、現地を訪れてみると、衛生状態もひどく、品質もばらばらだったり…。日本の消費者に受け入れられるような品質ではありませんでした。生産現場を改善する必要がありましたが、会社は人材投入も、利益を生むまで待ってくれる時間的余裕も、ありませんでした。

そこで、自ら起業するに至りました。2014年2月のことです。

——「パラダイスシード」の詳しい説明をお願いします。

竹井さん:ガーナでは種が幅広く使われています。伝統的に民間薬として使われるほど身体によく、爽やかな辛味と甘い香りが特徴です。

加藤:ボクが注目しているのは生産方法です。ガーナでカカオを生産している農家に、種や苗、そして栽培方法を共有して委託生産という形式を取ったりしてるんですね。しかもカカオの木の下に植えられるということで、農地を新たに増やすことなく収入を増やす仕組み作りをしている。「パラダイスシード」はまったく新しい形で、実際に農家の活動を助けているんですよね。

越出さん:とはいえ現地とのやり取りは大変です。いろいろと話をして誰かが現地に行かないといけないという話になって、私が手を挙げて、まずは半年ガーナに滞在し、植生そのものや、流通経路、加工の状況など調査し、農家とのコネクションを作ってきました。

現地で活動するなかで「支援」というのを、モチベーションにはしたくない、と思いました。「途上国かわいそう」って、優しくしようとしたら、いくらでもできるんです。でも、それって実は彼らの助けにはならない。「自分たちがどういうビジネスをできるか」という手段を身につけた方が、彼らにとってもプラス。そのためには最初は多少厳しくてもしょうがないと思っています。

でもお世話になっている農家さん達が目の前で困っていたら助けになりたいのは当たり前で、そのバランスがすごく難しいです。

竹井さんはビジネス面で「パラダイスシード」の普及を考えている。
竹井さんはビジネス面で「パラダイスシード」の普及を考えている。

「いい生産者さんの方って、みなさんつながってるんですよ」

越出さん:農家さんでガーナ人で話が分かる人、信用できる人って珍しいんですよ。気概のあるキーマンみたいな人を見つけて、少しずつ周りの村にも広めていってもらっています。

加藤:ですよね。いい生産者の方って、みなさんつながってるんですよね。信用できるところってちょっとずつ繋がっていくというか。

パラダイスシード
「パラダイスシード」はさまざまな料理に使えるスパイス

「いろいろな横の連携が増えれば、もっとやり方が増える」

——これからの「パラダイスシード」の広め方は—

竹井さん:現代に生きる日本人の私たちが求めるベネフィットがパラダイスシードにあります。今のところこれは企業秘密ですが(笑)

そしてダイレクトに売っていきたいですね。川上から川下まで、種から製品の販売まで自分たちでやる完全直販です。

ただの原料メーカーだと、価格を下げられてしまったりする。品質にこだわり、一緒に収穫して、加工して、日本では研究開発というサイエンスのスパイスをかけ、付加価値の高い素材として広まるのが理想です。

加藤:食品卸の会社に行くと、今だとジビエは売れてもダチョウは売れない。社会に売れるものじゃないと、そういう会社は積極的にはならないので。売れるものにするには、我々がそれぞれ違う角度で取り組んでいることですよね。「パラダイスシード」も、ただスパイスメーカーに持っていっても買ってくれない。いろいろな横の連携が増えれば、もっとやり方が増えると思っています。

越出さん:私はソーシャルな面を考えないで手に取る人が増えたらいいなって思っています。これを食べたら誰かのためになるとか、そういう言う理由でこれを買うんじゃなくて。ただ単においしいじゃん、おしゃれじゃん、なにこれ、って言って買う人が増えれば。本来、欲しいと思って買ったら生産者のためになるっていうのは当たり前ですが。

加藤:両方大切ですね。かかわる人間はそこまで考えなきゃいけないし、買う人間はそこまで考えなくていい。そういう人が増えてほしいですね。

今日は本当にありがとうございました。

Pocketに保存 はてなブックマーク Google+でシェア Follow on Feedly

AFP編集長食の未来を考えるオルタナフードパーティの伝道師です。 食の選択肢としての代替食品の中からオルタナフードとなるものを探索中。

to top