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「食の未来」を考える Vol.6

〜AFP代表・加藤×漁業活性化プロジェクト・加藤氏〜

オルタナフード, コラム, 漁業2015/06/30

漁業活性化プロジェクト・加藤氏

AFPでは「食の未来」を考えるため、生産者・飲食店・消費者のみなさんと意見を交換しています。今回、お話を聞いた漁業活性化プロジェクトの加藤さんは、日本の漁業を救うべくさまざまな形で活動中。地域や文化といったキーワードを交えながら、持続可能な「漁業」についてインタビューしました。


 

「(漁業は)漁村で生まれた自分に課された使命であり、一番問題なのに、農業とか林業に比べるとやる人が少ない。だから、一番やる価値があるなと思っています」

 

AFP加藤:ぼくは魚のことをほとんど知らなくて、加藤さんにお会いするたびにいろいろなことをお伺いしたくなってしまうんです。加藤さんはなぜ、漁業の問題に取り組もうと思ったんですか?

加藤さん:ぼくは富山と新潟の県境にある漁村で生まれ育ちました。そして大阪の大学に行って、東京に就職したんですけど、そのころから帰郷するたびに「地元は大丈夫かな」と思うようになりました。地元に困っている人がいれば、その人のために何かできないかと思ったんです。

自分のルーツをたどるとやっぱり漁業。ただニュースや情報を調べると、悪いことだらけ。漁業者の人数が減っていたり、後継者問題とかもありますし、資源の問題もありますし。一番問題なのに、農業とか林業に比べると取り組みが少ない。だからこそ、一番やる価値があるなと思っています。

AFP加藤:加藤さんの勉強会では、漁業全体のことについても教えていただきました。地方の漁業も、かなり昔とは状況が変わっているようですね。

加藤さん:そうですね。市町村合併などと同じで漁協や市場が統合されて、辺境の漁村は市場から遠くなって、出荷のコストが高くなっています、その結果、幸運なのか悲劇なのかわかりませんが、今までいろいろと制約があったのが「直接販売していいよ」といった感じになってきています。なので自分たちの力で、自分たちのブランドを作れるんじゃないかと。

実際は経営やマーケティングがわかる人材が不足しているので、ものすごく難しいです。ただ、都市部で通用する良いものがちゃんと獲れて、出荷するところまで持っていけば、辺境でも十分暮らしていけると思うし、わざわざ隣町に引っ越したりする必要もなくなる。それを理想の形としてやりたいですね。

そういう成功事例を各地で作れれば、日本は地方から元気になるんじゃないかなと思っています。

AFP加藤:最近、農業はいろいろなプレイヤーが入ってきて、マーケティングの視点がついていると思うんですけど、漁業はいかがですか?

加藤さん:まだお会いできてないだけと思いますが、都市部周辺のマーケットに近いところでよくお目にかかります。地方には少ないのではないかと思います。

ただ、東北は震災の後に、だいぶそういう努力をしてきていると聞いています。外から入っているというのもあると思います。海士町のように別産業から島の一次産業に参加したケースも、少しずつは増えてきているようです。

マーケットから遠くなってしまった辺境の漁業は、あと3年でなくなったりすんじゃないかという危機感がある。そうなると、そこでしかない加工食品とか郷土料理もなくなってしまうんじゃないかと危惧しています。

 

「将来的には資源管理というのが必要だと思います」

 

AFP加藤:漁のやり方も、深堀りしてお聞きしたいですね。

ダチョウ肉でも他のもので例えたり、実際に試してもらったりしてます。知ってもらう工夫は必要ですよね。

加藤さん:定置網とかも商品開発の価値はあると思うんです。

いま島根で新しい定置網が開発されたんです。日本海ってエチゼンクラゲが大量に発生するので、網にかかると魚がダメになったり、重くて網が破れたりしたのですが、新しくエチゼンクラゲだけがかからない網ができたんですよ。

AFP加藤:おお。

加藤氏:それができるんだったら、選択的な生産方法ができますよね、いろいろな種類の定置網が。魚の習性を利用すれば、小さい魚は逃げるけど、大きい魚は通って捕ることができる網も作れるんじゃないかと思ってるんです。

AFP加藤:同じマグロでもはえ縄とか巻き網とか、捕り方がいくつか種類があって、用途がかなり決まってきてしまうんですよね。日本は刺身をよく食べるので、一本釣りとかはえ縄じゃないと食べられないと聞いて、びっくりしました。世界で獲れているマグロのほとんどは巻き網のツナなんですよね。

加藤さん:はい。その残りを刺身で食べている国ということを認識してほしい一方で、それなりにマグロを消費している国でもある。将来的には資源管理というのが必要だと思います。特に日本のまわりの太平洋クロマグロは危機的な状況のようです。他の海域のある国は釣り針をたらしただけで、300キロ以上のマグロが獲れたりするって聞いたことがあります。そこはやっぱり国を巻き込んで規制していく必要があるかなと思っています。

漁業活性化プロジェクト・加藤氏
問題が尽きない漁業だが、加藤さんは「だからこそやりがいがある」と意気込む。

 

「よく見てみないと、持続可能かどうかというのはわからない。」

 

AFP加藤:食肉と魚はだいぶ領域が違うので、新鮮な部分があります。

加藤さん:でもジビエと地魚は似ていると思っています。扱い方一つで味が変わってくるところだったりとか。やっぱり狩猟という感じなんですよね。

AFP加藤:逆に養殖の魚と畜産はどうでしょう?

加藤さん:近いと思いますよ。餌の配分とか成長するタイミングでの切り替えが大事になるみたいです。けっきょく、魚も餌の味や香りが、魚の味と香りになるので。なので四国とかでやっている柑橘ブリとかは良い例ですよね。

養殖の場合、貝類は海のプランクトンを主要な餌にして大きくなりますが、鯛の養殖のように魚はわざわざ餌をあげないといけない。なので実際は天然魚を餌として消費して、大量に与えてやっているので、持続可能かどうかの判断をするときに魚の養殖はちょっと疑問が出てくるんですよね。

AFP加藤:大きい魚になると、牛の畜産のような量が必要になりますもんね。よく見てみないと、持続可能かどうかというのはわからない。ダチョウは3キロで1キロなんですけどね。

加藤さん:そういう視点は大事だと思います。

大手スーパーで売っている魚を見ると、外国産がメインで、日本産を探す方が難しいと思います。さらに、限られた魚種だけで、季節を感じるような魚がない。本当は地魚として、いろいろな魚種があるけど、売り物にならないからといって捨てられていることも多いんですよね。なので、そういう無駄になっているタンパク源をしっかりと流通に乗せることだったり、価値を知ってもらうことだったり、していきたいんですよね。

そうやって捕った後のこととか、作られたときのこととかを考えるのがオルタナフードなんじゃないかと思うんです。

AFP加藤:おっしゃるとおりだと思います。これからも一緒に何かやりたいですね。いろいろと魚のことについても教えてください。

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